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   <2006年9月10日>
第37回
        「足回りのセットアップ」 <ダンパー編 @>

やっと、涼しくなってきた今日この頃ですが、みなさまいかがお過ごしでしょうか?
私は、年中行事である、FTRS(フォーミュラー トヨタ レーシングスクール)の教頭先生として、8月の半分ぐらい、富士スピードウェイのショートコースに、こもっておりました。
そうだ、FTRSと言えば、みなさん" カペタ "っていうマンガ、知ってますか?
月刊マガジンで連載されて、単行本が出て、毎週火曜日の夕方5時半からテレビ東京でアニメも始まった、カートレースが舞台のマンガです。

セッティングって面白いですよね〜
で、カート少年の主人公が、今ちょうどFTRS(マンガの中では、FSRS)を受講中なんですよ。
もちろん、田中先生?も、ちょこっと登場してるんですね〜。
フジムラ マコト って名前でね。(ちょっと、自慢・・・・・)

しか〜し、一緒に登場している、関谷校長や、片岡龍也は、いじょ〜にカッコいいんですよね〜。
古い言い方をすると、少女マンガに出て来そうな感じなのです。
なのに、田中は、そのまんま・・・・・。
もう、誰が見ても、「あっ、これは田中だな」って、わかるぐらい、そのまんまです。

ちょっとぐらい、修正して欲しかったです・・・・・・。
というか、片岡のカッコよさはムカつく・・・・・・・・・・・・・・・あ〜ムカつく・・・・・・・・・・・・・・・。
でも、ストーリーは楽しいので、みなさんも一度ご覧あれ。


さてさて、前置きが長くなりましたが、今回は、車高調の中でも、ダンパーのお話をしたいと思います。

一般的に、車高調の価値 = ダンパー性能 と考えている人が多いと思います(田中はそうとは思いませんが・・・・・)。
ダンパー性能は、単筒式だとか複筒式だとか、別タンが付いてるとか、フリーピストンがどうだとか、要するにダンパーの仕様によって決まっていますよね。
でも、クルマを速く走らせる"セットアップ"という観点から、「じゃ、いったいどんなダンパーがイイのよ?」って、思っている人って結構いると思います。
そこで、田中が思う、理想のダンパーの話をしようと思うのですが、その前に、基本的にダンパーは、いったいどんな仕事をしているか、ということから説明しましょう。

まず、ダンパーの仕事は、ノーマルカーとチューニングカーで大きく変わってきます。
ノーマルカーでは、使用するスプリングレートが低いので、走行中のピッチングを抑制する必要があります。カンタンに言うと、ギャップに乗り上げた後、いつまでも"フワフワ"と、クルマの揺れが止まらない状態を、ダンパーの減衰力で安定させ乗り心地を確保することが目的です。

対して、チューニングカーやレーシングカーは、スプリングレートが高く、ストロークも短いため、ギャップに乗り上げた後、いつまでもクルマの揺れが止まらないようなことにはなりません。
よって、チューニングカーやレーシングカーにとってのダンパーの仕事とは、コーナーでハンドルを切り込む手前からMAXロールまで、スプリングをどんなスピードで縮ませるかを決定することになります(ちなみに、スプリングがMAXロール時のロール量を決定します)。

以前は、車高調と言うと、ノーマルに比べ、ストローク量が少なくなることから、その分、強い減衰が必要と考えられていました、バンプもリバンプも"ガチガチ"なんてよくあった話しです。
レースの世界でも、10〜15年ぐらい前までは、バンプもリバンプも"ガチガチ"で、特にリバンプ側がバンプ側の3倍以上の減衰力があった時代もありました。しかし、減衰力の高いダンパーを装着すると、どうしてもダンパー自体がバネ成分をもってしまい、本来はスプリングの仕事であるロール量に影響を及ぼしてしまいます。
そこで、最近のレーシングカーでは、いかにしてダンパーがバネ成分を持たないかがポイントとなっているのです。

要するに、10 Kgf/mmのスプリングなのに、減衰力の高いダンパーと一緒に使うと、ある部分では、15 Kgf/mm にも、20 Kgf/mmにもなってしまうのです。
こうなってしまうと、本来、タイヤのグリップをより有効に、安定して使用できるという目的で装着したダンパーなのに、合計したスプリングレートが上がることから、タイヤにかかる荷重の増減がピーキーになってしまい、結局、タイヤのグリップがうまく使えなくなってしまいます。
そう、本末転倒ってやつですね。

おっと、早く茂木に移動しなきゃ(スーパーGT第7戦ね)。

では、ダンパー編の続きは、次回ということで。
次回は、10月15日のアップ予定です。
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