みなさんこんにちは!
今回は、番外編として、BILLIONの新商品、開発秘話を“コッソリ”教える・・・・・“フリ”して、“チャッカリ”商品コマーシャル
をしてしまう、名付けて“レーシングあきんど”のコーナーです。
私にとって、商品企画や商品開発は、まさに生きがいです。
今度は、こんなもの作ろうとか、こんなハパーツがあればいいなぁ〜と考えているだけで、なんだかとっても幸せになる
という、“変なやつ”なのです。
で、頭の中で企画がまとまると、レーシングネットワークを活用し、サンプル製作→テスト、サンプル製作→テスト、
サンプル製作→テストを繰り返します。(これがまた楽しい!!)
もちろん、いつもお世話になっている工場は、まさに日本のレース界の中核ばかり。
GTカーを製作している横で、弊社の新商品が試作されているという、ゼイタクな状況がそこにはあるのです。
こんな時、“やっぱ22年も頑張ってレース続けてきてよかったな”とシミジミ思えるのであります。
では、コッソリと新商品、開発秘話をお話しましょう。はじまり〜、はじまり〜
それは、3年前のことでした・・・・・・・・。
TRD主催の走行会にゲストとして参加したとき、お昼休みにフラフラとみんなのクルマを見て、新商品のヒントを
探していたのでした。(田中がゲストの走行会に参加した事のある人は、心当たりあるでしょ?そうです、
ウロウロしている時は、新商品企画を企んでいるのです)。
そこで、ビ、ビ、ビィ〜ッ(ちょっと古いか・・・・・)と、きたのです!
何がって、走行が終わったクルマの、ほぼ全車のパワステフルードが噴きこぼれているではありませんか!
そして、これを見た瞬間、私の冷却魂に火がついたのでした。
“絶対噴きこぼれないパワステフルードを作ってやる”と(単純なやつ?)。
帰ってすぐに、バケ学の大先生(私も化学は得意なジャンルですが、この先生はスゴイのなんの)に連絡をとり、
1ヶ月後には、できてしまいました、沸点400℃のスペシャルパワステフルードが!!
もちろん、パワステシステム内でフルードが沸騰し、その結果として噴きこぼれていると考えた訳であります
(でも、沸点400℃のフルードが、すぐできちゃうところってスゴクない?)。
そして、小雪舞い散るフジスピードウェーのジムカーナー場を貸切り、GTドライバーの松田晃司選手を起用し、
豪華絢爛、万全の体制でテストに望んだのでした。
が、しかし・・・・・・、
テストの結果はというと・・・・・・、沸点400℃のフルード投入も、見事、ボンネットを開けると、そこはオイルまみれになった
パワステタンクが・・・・・・・。
おまけに、油温も180℃辺りしか上がっていない!!
噴きこぼれは、パワステフルードの沸騰が原因という、私の仮説は音を立てて崩れたのでした・・・・・・・。
おかしい・・・・・・。
教訓@
パワステフルードの噴きこぼれの原因は、フルードの沸騰ではない。
じゃ、何が原因かって?
それは、テスト中の油温の上がりにヒントがありました。
はじめに、純正フルードを使用して、噴きこぼれる状況確認のテストをしていた時に、いくらステアリングを左右に切って、
パワステに負担をかけても油温は120℃あたりしか上がらないのです。
でも、ギアを1速ホールドにしてリミッターがあたるぐらい、エンジン回転も上げる作戦でジムカーナーをしたら、
一気に油温が上がるという事実がありました。
そして、その時に、タンク内の油面を見てみると、恐ろしい量の気泡が混入しているではありませんか!
もちろん、気泡の分だけ油面も上昇していたのです!!
そうです、まさにキャビテーション現象が発生していたのです。
教訓A
噴きこぼれの原因は、エンジン回転数に関係がある。
なるほど、そういうことか!
と、開発はスタート地点に逆戻りです。トホホ・・・・・・。
次回も、リニアステアー&レーシングPSタンクの開発秘話です
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