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第32回 |
<番外編> |
<2006年4月11日> |
〜スーパーGTの舞台裏〜 【前編】 |
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みなさんこんにちは。
次のドラテクは、何の話にしようとかと考えていたら、今年はシーズンインがいつもより早く、レースとテストに明け暮れる毎日です。 |
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次回からのドラテクは、みなさんのもっとも興味がある?車高調あたりについてジックリ語りたいと思っているのですが、書き上げる時間が・・・・・・・・・。
ということで、レースシーズンも始まったことなので、今回は、スーパーGTの舞台裏というか、どんな流れでGTレースは進行していくのかをお伝えしようと思います。 その前に、スーパーGT第1戦のご報告を。
今期から、エンジンがV6になった我らがMR-Sは、圧倒的なコーナリングスピードを誇るものの、エンジンの熟成がまだまだ、・・・・・の状態で、厳しい第1戦となりました。
予選は、まさかの14番手。決勝は混戦の中、しぶとく順位を上げたものの、ドライバー交代寸前で、ドライブシャフトが”ポッキリ“と、散々なレースでした。
でも、よくターボエンジンよりNAの方が、コーナリングが速いと言われていますが、あれってマジだったんですね・・・・・。コーナーでアクセル踏んだ時のパワーの出方がリニアなので、驚くほどコーナリングスピードが上がりました。
でも、その後のストレートが・・・・・。
TRDさんに頑張ってもらうしか、手はなさそうです・・・・・・・・。
さて、話を戻して、スーパーGTの舞台裏ですよね。
まずは、レースの約1ヶ月前に、レース開催サーキットで事前テストというものが行われます。
このテストの最大の目的は、なんと言ってもレースに使用するタイヤのチョイスです。
気温、路面温度といった温度レンジの中から、そのサーキットに合った、グリップ力、耐久性、クルマとのマッチングを考慮し、レースに使用するタイヤを決めるのです。
我らが、ミシュランタイヤは、ドライタイヤ(スリックね)なら、5〜8種類ぐらいが用意されており、その中からのチョイスとなります。
前回のレースやテストでのコメントをもとに、2〜3種類は、新作タイヤといった感じです(中には、田中実オートクチュールと呼ばれるものまであります)。
ドライバーのコメントひとつで、タイヤができるわけですから、シッカリと適切にコメントしないと、自分自身がドハマリになるわけです。
そして、このテストでレースに向けたタイヤが、3〜4アイテムに絞られ、レインタイヤと合計して、100本ぐらいのタイヤがレースウィークに用意されるという段取りです。
でも、1ヵ月前のテストで決まった仕様のものが、フランスで作られて1ヵ月もしないうちに日本に空輸されるわけですからスゴイですよね。
しかし、テストの段階で、タイヤが絞りきれないと・・・・・レースウィークのパドック裏には、トラック2台分のタイヤがスタンバイとなってしまうのです・・・・・。
私と同じミシュランユーザーの“新田M男”さんは、タイヤチョイスもプライベートも
超優柔不断なので、いつもパドック裏では大変なことになっているのです!?
通常、レースウィークは、木曜日の移動から始まります。
飛行機か新幹線、またはクルマでサーキット近くのホテルに入り、翌朝から始まる公開練習に備えます。
ぐっすり眠った翌朝は、7時前には起きて、レンタカーでサーキットに向かい、90分×2回の公開練習となります。公開練習の目的は、事前のタイヤテストで絞り込んだ3〜4種類のタイヤからの最終的なチョイスをして、足回りや、空力部品のセットアップを行います。以前にも紹介しましたが、これらのセッティングは、データロガーという優れものを使って、細部にわたるまで、バッチリ仕上げます。
また、GTは2人のドライバーで乗りますので、これらの仕事を2人で分担するのですが、予選アタックを行うドライバーをメインにテストは進みます。
もしも、この公開練習でセットアップを大幅に変更しなくてはいけないような場合は・・・・・、まずこのレースに勝算はないのです。
そして、やっと、土曜日の予選日を迎えるのです。
予選日の朝には、ドライバーズブリーフィングが行われ、大会ごとオペレーションの違いなどの説明が行われ、いよいよ予選スタートと相成ります。
アタックドライバーがクルマに乗り込み、20分間の予選に挑みます。この20分をどう使うかが、戦略なんですね〜。
タイヤが温まるのに1〜2ラップ。その後の2ラップが勝負です。
走るのは、せいぜい5ラップぐらいですので、時間にして約7〜8分。20分間の予選時間のどのタイミングで、予選アタックをかけるかが戦略なのです。
なぜなら、サーキットの路面は、ニュータイヤで走ると、目で見てわかるぐらい、コーナーのライン上が黒くなってきます。要するに、路面にニュータイヤの柔らかいゴムが詰まるのです。
そうすると、“ラバーグリップ”と呼ばれるとても素敵な?グリップが生まれるのです。
“ラバーグリップ”のあるなしで、0.5〜1秒ぐらいラップタイムが違うことは、よくあることなのです。
ということは、できるだけ最後の方に予選アタックをかけた方が良いに決まってますよね。
でも、みんなそれを狙っていますので、後半は、コースが混雑しクリアーラップが取りづらかったり、コース内にオイルが出たりする可能性もあるのです。
だから、まわりの出方を見て、接戦なるだろうと思われるライバルと、同じタイミングにコースインすることがセオリーとなっています。
もちろん予選の前には、練習走行などなく、まさに一発勝負となります。
このような状況では、精神力というか、スポーツ選手独特の“図太さ”が要求されるんですね〜。精神的に弱いと、必ずといってよいほどミスを犯します。
この予選で、10位までには入れれば、午後から行われる「スーパーラップ」への出場権が得られ、11位以降は、その順位がそのままレースのグリッドとなるのです。
いかがでしたか? スーパーGTの舞台裏。
では次回は、「スーパーラップ」からのお話をしますね。 |
次回更新は、5月6日を予定しております。 |
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