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第33回 |
<番外編> |
<2006年5月08日> |
〜スーパーGTの舞台裏〜 【後編】 |
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みなさん、こんにちは。
スーパーGT第2戦OKAYAMAは、予選13位、決勝15位。
続くスーパーGT第3戦FUJIは、予選10位、決勝9位という、散々な結果でした・・・・・。 |
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ニューエンジンの熟成には、もう少し時間がかかりそうです。
さて、前回のスーパーGTの舞台裏(前編)いかがでしたか?
コラムを読んだ、“新田M男”さんという方から、強烈なクレームが入りましたが無視します。 では、今回のお話は、「スーパーラップ」からでしたよね。
午前中に行われた予選順位のトップテンは、栄えある「スーパーラップ」に出場できることになります。
「スーパーラップ」とは、午前中の予選10番手から9、8,7番手・・・・・・と順に、1台ずつ1周のアタックをかけて、ラップタイムを競います。そうです、コース上でタイムアタックしているのは、たった1台だけです。そして、その順位が決勝のグリッドとなります。
まずは、コースインしてウォームアップを2ラップします。
で、次のたった1周のアタックラップですべてが決まるのです。まさに、勝負師としての感性が試される一瞬なのです。
当然、予選専用タイヤではなく、レギュレーションで決勝用にチョイスしたものと同じタイヤで走らなければなりませんので、「スーパーラップ」システムが導入されてからは、“タイヤの温まり”ということも重要なポイントとなってきました。
温まりが遅いと、アタックラップに本来のグリップが発揮できないからです。
そして、この「スーパーラップ」は、“オッサン”がうまいのです。
なぜなら、10年ぐらい前までは、“予選タイヤ”と呼ばれるものが存在したからです。
このタイヤは、まさに1ラップスペシャルで、鈴鹿のように1周が長いサーキットでは、な、なんと通常のレースタイヤに比べて、ラップタイムが4〜5秒も上がる、魔法のタイヤなのです。
しかし、ライフはピッタリ1周しかありません。
この時代は、まさに“タイヤウォーズ”状態で、各タイヤメーカーは、こぞって“予選タイヤ”の開発にシノギを削っていました。だから、タイヤテストで、“予選タイヤ”を10セット連続! なんてことも実際行われていました。
ということで、この時代に、山のように“予選タイヤ”の経験を持っている、
“オッサン”がうまいのです。
話を元に戻しましょう。
この、一発勝負の「スーパーラップ」で、決勝レースのスタート順位が決まり、予選日は終了です。
翌、決勝日は、朝のフリー走行から始まります。
各チーム、前日の予選日とは異なり、一発タイム仕様ではなく、スタート時と同じ、ガソリンを積んで、決勝セッティングの最終確認をします。
もちろん、2人のドライバーが交代で乗り、この状況で走れるタイムが、決勝でのペースとなるのです。ですから、たとえ予選が良くなくても、フリー走行のタイムから、決勝で狙えるポジションが予想できるのです。
そして、ここでのタイムで、スーパーGTで最も重要な、“戦略”がほぼ決定します。
“戦略”とは、
@スタート時の燃料量
ピットストップでの給油時間を短縮するため、スタート時の燃料を満タン(100L)にするか、それとも少し軽めにして、前半に勝負をかけるかのチョイスです。ラップタイムと給油時間を考慮して、一番効率の良いガソリン量でスタートします。
Aスタートドライバー
2人のドライバーのどちらでスタートするかです。ラップタイムに差がある場合は、勝負どころで速い方が乗るような戦略になります。
Bピットインのタイミング
スーパーGTでは、レース中のピットインが義務付けられています。
そこで、ドライバー交代、給油、タイヤ交換を約30秒でやってしまいます。これらをレースのどのタイミングで行うかも、まさに“戦略”なのです。
華やかなピットウォークが終わり、スタート前の8分間のウォームアップでニュータイヤの皮むきをし、“君が代”がかかり、いよいよスタートです。
スーパーGTのスタートは、ローリングスタートと呼ばれるスタート方式です。
ペースカーを先頭に,約100Km/hで、ゆっくりコースを回り、最終コーナーを立ち上がったところでペースカーがピットに入り、シグナルが青に変わればスタートと相成ります。
あとは、ピットもドライバーも、ひたすら戦略どおりに戦うのみとなります。
途中、ドライバーは、無線でクルマの状況や消費ガソリン量(メーターにデジタル表示されます)を伝え、ピットではこれらの情報をもとに、ラップタイムの推移、順位、前後関係、燃費計算を行い、“戦略”の変更が必要かどうかを絶えず考えている状況です。
レースは、ドライバーだけの個人競技のように思われがちですが、このチーム力こそが、直接的にリザルトとして反映されるのです。
そして、チェッカー。
レース後に、スタッフと軽くミーティングを行い、ドライバーは帰路につくというのが、スーパーGTのレースウィークです。
どうでしたか? なんとなぁ〜く、わかってもらえましたか??
1台のレーシングカーが1時間走るのに、100時間のメンテナンス時間が必要といわれています。メカニック、エンジニア、マネージャー、チーム監督、タイヤメーカー、エンジン屋さん等々、多くのスタッフが、それぞれの仕事を分担しているからこそ、我々ドライバーは、走ることだけに専念できるわけです。
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次回更新は、6月19日を予定しております。 |
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