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第5回 |
「タイヤ編(4) 〜一発タイムを出すときのタイヤの暖め方(前編)〜」 |
<2004年5月17日> |
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サーキット走行等のタイムアタックで、中古タイヤではそこそこ良いタイムが出るのに、NEWタイヤをはいて一発タイムを狙いに行ったら、中古タイヤからそれほどタイムアップしなかった・・・・・・
なぁ〜んて経験ありませんか?
ライバルたちは、NEWタイヤで、1秒以上タイムアップしてるのに・・・・・・・・。
やっぱりオレってセンスないのかな〜と考える前に、この先をジックリ読んでちょ〜だい。
タイヤと摩擦と空気圧
タイヤ編(1)でも話したように、クルマが、止まる、走る、曲がるという性能を発揮できるのは、タイヤが路面に接地していて、そこに摩擦があるからこそ。
その摩擦(グリップ)をいかに有効に使うかがポイントとなります。
そして、NEWタイヤは中古タイヤより明らかにグリップが高い。
そのグリップをタイムに結びつけるためには、ある準備が必要なのです。
その準備とは、タイヤの温度と空気圧を均一にすること。
要するに、タイムアタックに入る瞬間に4輪のタイヤ温度と空気圧がそろうようにタイヤを温めるのです。
それができるだけで、0.5秒以上確実に早く走れます。マジです。
みんなも知ってるように、NEWタイヤが抜群のグリップを発揮できるのは、せいぜい、5〜10ラップ(Sタイヤなら、3〜5ラップ)。NEWタイヤで、タイムアップしない最大の要因は、このグリップのピークを4輪同じように上手く合わせ込むことができないからだと、田中は思うのです。
4輪のグリップバランス
たとえば、NEWタイヤのMAXのグリップが“100”だと仮定しましょう。
そして10ラップ走ったタイヤのグリップを“80”とすると、まず、1ラップ2ラップとタイヤを暖めるとグリップが“20”→“30”→“40”→“50”→“60”
→と上がってきますよね。でも、前後左右のタイヤが同じようにグリップするように温められないと、右フロントは“100”なのに、左リアはまだ“60”なんてことが起こります。
この状態でアタックしても、右コーナーでオーバーステア気味になりそれほど良いタイムは出ない。
そして、左リアがようやく“100”のグリップに達した時、右フロントはピークを過ぎ“90”まで落ちていれば、今度は左コーナーでアンダー気味になり、そのまま走り続けると、このアンダーステアのバランスはどんどん大きくなってしまうのです。
また、空気圧も同様に、ピークを迎えたタイヤは温間時の設定どおり上がりますが、まだピークを迎えていないタイヤは設定値より低い状態のはずです。
そのバランスで、タイムを出すためにプッシュすれば、クルマのバランスは最悪で、気がつけばチェッカーフラッグが・・・・・・・・。
ということになってしまうのです。典型的な一発のタイム出しに失敗する例です。
最終的には自分自身
それと、精神的な面から言うと、
まず、準備(タイムアタックに入る瞬間に4輪のタイヤ温度と空気圧をそろえる)に集中するために冷静であること。ピットアウトした瞬間から、頭の中が“真っ白”では、絶対に準備は出来ませからね。
そして、アタックラップに入ったら、NEWタイヤだからここまでブレーキを我慢してもいいはずとか、ここからアクセルを踏んでも大丈夫とか、動作の前に勝手に頭の中で決め事を作るようなことはしないことです。
いつもと同じように、ステアリングの重さでタイヤのグリップを感じとり、そのグリップの中で走ればいいのです。
準備さえキッチリできていれば、必ずタイムは出るものなんです。
次回は、実際に筑波2000で一発タイムを出すときのタイヤの暖め方のお話です。 |
次回は、5月31日予定です。 |
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